産休・育休に入れば給付金はすぐに入ってくる、と私も思っていました。ところが実際は、お金が入るまでに、思っていた以上の空白があります。

- これから産休・育休に入る予定で、お金の流れが不安な方
- 「育休に入れば、すぐ手当が入る」と思っていた方
- 育休前に、どれくらい貯金しておけば安心か知りたい方
FPとして働いてきた私ですが、今回は自分が2か月の育休を取り、この「入るまでの間」の大切さを、あらためて実感しました。
この記事でわかること
- 育児休業給付金は、いつから振り込まれるのか
- 2か月ごとの後払いで、金額も満額ではないこと
- 出産手当金も、まとまって後から入ること
- 育休前に、どれくらい貯金しておくと安心か
※制度や金額は改正・個別の状況で変わります。正確な金額と時期は、勤務先やハローワーク、健康保険組合で確認してください。
育休のお金は「すぐには入らない」
一般に、初回の振り込みは、育休を始めてから早くても2〜3か月後になります。育休が始まってから会社が申請し、ハローワークで支給が決定して、そこから振り込まれる、という流れだからです(参考:厚生労働省「育児休業給付について」)。
つまり、育休に入ってすぐは、収入が止まったまま、しばらく手当も入らない期間ができてしまいます。ここを知らずにいると、家計が一時的に苦しくなりかねません。
2か月ごとの後払いで、金額も満額ではない
さらに、押さえておきたい点が2つあります。
- 振り込みは2か月ごと:初回のあとも、基本的に2か月まとめての後払いです。毎月コンスタントに入るわけではありません。
- 金額は満額ではない:育児休業給付金は、休業前の賃金のおよそ50〜67%です(育休開始から一定期間は67%、その後は50%が目安)。今までと同じ手取りが続くとは限りません。
金額の決まり方(FPの補足)
育児休業給付金の額は、育休に入る前6か月の賃金をもとに決まります。この6か月の賃金には残業代などの手当が含まれ、賞与(ボーナス)は入りません。そのため、育休の直前に残業が多かったか、有給休暇をどう使ったかによって、受け取れる額が変わることもあります。
なお、2025年4月からは、夫婦で育休を取得するなどの条件を満たすと、最大28日間は上乗せ給付で実質「手取り10割」になる制度(出生後休業支援給付金)もあります。この点は「育休の社会保険料免除の取り方」でふれています。
振り込みは2か月ごと、金額も満額ではありません。この2つが重なると、月々の家計の感覚は、働いていたときとずいぶん変わってきます。

出産手当金も、まとまって後から入る
出産で会社を休むあいだには、健康保険から出産手当金が支給される場合があります(勤務先の健康保険に加入している方など)。ただ、これも申請してから、まとまって後で振り込まれるのが一般的です。
産休・育休を通して見ると、「収入が下がる時期」と「お金が実際に入る時期」に、ズレがあります。このズレを、あらかじめ知っておきたいところです。
育休前に、どれくらい貯めておくと安心か
ここまでをふまえると、育休に入る前に、ある程度の生活費を手元に用意しておくと、いざというときに落ち着いて動けます。
用意しておきたい額の目安
- 【土台の生活費】給付金が入り始めるまでの2〜3か月分は、必ず手元に置いておく
- 【出産でかかるお金】出産費用は大きな出費になるので、出産育児一時金でまかなえない分も、あらかじめ見込んでおく
- 【あると安心な余裕】さらに数か月分あれば、申請の遅れや想定外の出費にも慌てずに済む
我が家はこう備えました(実体験)
私は2か月ほど育休を取得し、今月から復帰しましたが、この記事を書いている時点では、給付金はまだ振り込まれていません(初回は来月末あたりかな、と見込んでいます)。休んでいる間は収入が止まったままという「空白」を、いま実感しているところです。
やっておいた3つの備え
- 【生活費】3か月分を現預金で確保:無収入の期間に加えて、出産でもまとまったお金が出るので、少し余裕をもたせています。
- 【現金化の順番】どの資産から崩すかを決める:我が家はNISAや株が多く、現金は少なめ。「足りなくなったら、どの資産から現金化するか」を、事前に妻と話しました。
- 【最後の手段】親族への相談も想定:最悪の場合に一時的に相談できるかどうかも、頭の片隅には置いています。
医療保険にも助けられた
妻は不妊治療のときにも給付が下りましたし、出産のときも、破水で予定より早く入院することになり、給付金を受け取れました。出産や育児の時期は、思いがけない出費が重なりやすいものです。いま入っている保障の内容を一度見直しておくと、こういうときに助けになります。
お金をたくさん用意することよりも、「しばらく収入が入らない時期がある」と前もって知っておくほうが大事だと思います。それだけで、いざそのときが来ても、落ち着いて構えていられるはずです。
気をつけたいこと
- 会社の申請しだいで、振り込みはさらに遅れることがあります。育休前に、いつ申請してもらえるか、担当部署に確認しておくと安心です。
- 金額や条件は、あくまで目安です。自分のケースでいくらになるかは、勤務先やハローワーク、健康保険組合で確認してください。
- 社会保険料の免除とあわせて考えると、家計の見通しが立てやすくなります(免除の取り方は、別の記事にまとめています)。
まとめ
- 育児休業給付金の初回は、育休開始から早くても2〜3か月後
- そのあとも2か月ごとの後払いで、金額は賃金の50〜67%が目安
- 出産手当金も、申請してからまとまって後で入る
- だからこそ、入るまでの2〜3か月分+余裕の生活費を、育休前に用意しておくと安心
お金の流れを先に知っておくだけで、育休中の不安はずいぶん軽くなります。まずは、自分の場合の「いつ・いくら」を勤務先で確認して、必要な備えを逆算してみてください。


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