辞めたい理由が、役職や担当、仕事の量にあるなら、辞めなくても変えられることがあります。

- 仕事を辞めたい気持ちが続いているが、辞めていいのか決めきれない
- 辞めたあとで、辞めなければよかったと思わないか不安に感じている
- 辞めたい理由が、仕事なのか人なのか、自分でもはっきりしない
私はHSP気質で、これまでに6回転職しています。辞めると決めた理由のほとんどは「環境の居心地の悪さ」でしたが、何が居心地を悪くしていたかは、職場によって違いました。一方、6回のうち1回だけ、すぐに辞めなくてもよかったと思う退職があります。仕事は合っていて、マネジャーという役職が合わなかった不動産会社です。
この記事でわかること
– 辞めたい理由を3つに分ける見方
– 役職や担当、仕事の量が合わないときに、辞める前にできること
– 辞めると決めたら確かめておきたいお金のこと(給与・賞与・失業保険)
※HSP(Highly Sensitive Person)は、刺激や人の感情を受け取りやすい気質を指す考え方で、病気や障害ではありません。ここで書くのは、私個人の体験と、そこから考えたことです。眠れないなど心や体に不調が出ているときは、辞めるかどうかより先に、休むことを考えてください。
辞めたい理由は、3つに分けると見えやすい
私の場合、居心地が悪くなって「もう無理」と思ったところで、退職へ気持ちが傾きます。ただ、6回の転職を振り返ると、辞めたい理由は大きく3つに分かれていました。
| 辞めたい理由 | 私の例 | 次の一手 |
|---|---|---|
| ① 役職・担当・仕事の量が合わない | 不動産会社(マネジャー)/今の職場(一人で仕事を抱えていた) | 役職を降りる、担当を替える、分担してもらうなど、辞めなくても変えられることがある |
| ② 会社の仕組みや、離れられない相手が合わない | 生命保険会社(収入が月ごとにぶれる働き方)/5人の代理店(社長とほぼ二人) | 残っても変わりにくいので、お金と次の職場を準備して離れる |
| ③ 仕事の中身も人も環境も、全部が合わない | 保険代理店の営業企画(約4か月) | 離れるのも一つの判断。次は入る前に、具体的な仕事と課題まで確かめる |

今の自分に当てはまるものがあるか、次の3つを見てください。
– 辛いのは、今の役職や担当、仕事の量のせいではないか(ここが変われば続けられそうか)
– 辛いのは、会社の仕組みや、離れようのない相手のせいではないか(いる限り変わらなそうか)
– 仕事の中身も、人も、職場の環境も、どれも合わないと感じていないか
1つ目の「役職や担当、仕事の量」に当てはまるなら、辞めなくても変えられることがあるかもしれません。私の場合、不動産会社がそうでした。
役職が合わなかった職場は、辞めなくてもよかった
6回のうち、辞めずに続ける道もあったと思う職場は、不動産会社だけです。辞めなくてもよかったと思う理由は3つあります。
仕事の中身は合っていた
不動産会社のFP部門では、住宅の購入を考えているお客さまの相談に乗る仕事をしていました。約4年で受けた相談は500件ほどで、保険契約の売り上げはチームで一番でした。仕事は私に合っていて、部門の中に居場所もあったと思います。
マネジャーという役職が合わなかった
部長が抜けてまとめ役がいなくなったとき、部門の年上のメンバーが、私をマネジャーに推薦してくれたことがあります。社長には「まだ早いと思う」と言われましたが、私もその役職に少し関心があり、自分が引き受けるしかないと思って、マネジャーを引き受けました。
マネジャーになっても、お客さまの相談に乗る仕事はそのまま続けていて、チームをまとめる役目が増えただけです。そのまとめ役として、会社とチームがそれぞれ求めることの間で、板挟みになりました。
- どちらの言い分もわかってしまう
- 自分の意見がないので、話を聞くたびに考えが揺らぐ
- 年上のメンバーは会社の方針にやる気をなくしていて、チームをうまく動かせない
当時の私は20代で若く、今思えば、HSPの気質も影響していたと思います。引き受けることは私自身が決めましたし、社長の「まだ早い」は当たっていました。今は、仕事の中身ではなく、マネジャーという役職が合わなかったと考えています。
役職を降りて残る道が、実際にあった
辞める話をすると、上司は理由に納得してくれて、役員からはマネジャーを降りて残らないかという話も出ました。ただ、私はもう辞めると決めていたので、その提案は断っています。収入が上がることも後押しになり、次の会社を決めてから辞めました。

振り返ると、マネジャーを降りなかったのには、周りからどう見られるかというプライドもありました。マネジャーを降りて、相談の仕事だけを続ける道を考えないまま辞めたという意味で、辞めなくてもよかったと思っています。結果的に、次に入った会社は合わず、約4か月で辞めることになりました。その話は「HSPが転職で後悔したこと」に書いています。
一方で、転職してきたから今の職場に出会えたとも思うので、辞めたこと自体を間違いだったとは思っていません。不動産会社は決して嫌な職場ではなく、あのまま続けていたらどうなったかには興味があります。
役職を降りたい、担当を変えたいという相談は、言い出しにくいものです。それでも今の私は、仕事が合っている職場を手放すのは、役職や担当を変える相談をしてからでも遅くないと考えています。
辞めたい理由ごとに、次にできること
① 役職や担当、仕事の量なら、変えられることがある
役職のほかに、仕事の多さが辞めたい理由だったこともありました。今の職場では、一人で抱えていた仕事を分担してもらえたことで、辞めずに続けられています。
●今の職場
- 入社してしばらく、一人で部門の仕事を抱えていた
- プレッシャーが大きく、2回ほど辞めたいと言いかけた
- 会社の判断で役割を分担してもらい、運用が詰まっていたところを巻き取ってもらえた
それをきっかけに、人に相談しづらい私でも、苦手な部分は得意な人に任せていいと思えるようになりました。会社によっては、異動や担当替えを相談できる場合もあります。今の職場で試せることは、こちらにまとめました。
② 会社の仕組みや相手なら、離れる準備をする
●生命保険会社
- 収入を上げようと思って、新卒の会社から移った
- 仕事そのものは楽しく、完全歩合なのも分かって入った
- ただ、収入が月ごとに大きくぶれる働き方は、思った以上に精神的に辛かった
- 辞めるのは負けだと思い、約2年続けたが、働き方は変わらなかった
●5人の代理店
- 社長とほぼ二人の職場だった
- 仕事の進め方やお客さまとの付き合い方で、価値観が合わないと感じる場面が重なった
- あるとき「この人と一緒にやっていくことはできないな」と思った
どちらも、残っていても変わりにくいことでした。生命保険会社は、もっと早めに見切りをつけてもよかったかもしれません。会社の仕組みや離れられない相手が合わないなら、お金と次の職場を準備して離れるのも一つの判断だと思います。
③ 全部が合わないなら、離れるのも一つの判断
●保険代理店の営業企画(約4か月)
- 社内の営業担当に向けて、企画や仕組みをまとめて発信する仕事だった
- 社内の目や、人との距離感がわからず辛かった
- 環境も、人も、仕事も、全部が合わなかった
- 次の職場を決めずに辞めた
仕事も人も環境も合わず、理由を1つに絞れない辞め方でした。全部が合わないと感じるなら、離れるのも一つの判断だと思います。
今なら、入る前に次のことまで確かめたいと思います。
– 具体的に、どんな仕事やタスクを任されるのか
– そのポジションで、いま課題になっていることは何か
– 前にそのポジションにいた人が、うまくいかなかったことは何か
こうした面接で聞きにくいことは、転職エージェントの担当者を通して聞く方法もあります。うまくいった例では、不動産会社に入る前に、担当者に職場の雰囲気や離職率を聞き、社長が「トップ営業マンの中途は要らない。売ることが仕事ではない」と話していることも教えてもらいました。聞いた話と入社後の様子に、大きな違いはありませんでした。
6回の転職を経て、やりたいことよりも、どこで誰とやるかが大事だと思うようになりました。私には、特にやりたい仕事があるわけではありません。やりたい仕事かどうかだけでなく、どんな役職で誰と働くかでも、働きやすさは変わると感じています。
HSPの私が働きやすかった職場の条件は、こちらに書きました。
辞めるかどうかを決める順番
ここまでをまとめると、私なら次の順番で考えます。
- 辞めたい理由が、3つのどれに当たるかを見る
- 役職や担当、仕事の量が理由なら、役職を降りる、担当を替える、分担してもらうなど、辞めなくても変えられることがあるかを確かめる
- 変えられないなら、お金と次の職場を準備して離れる
辞めると決めたら、お金と次の職場を確かめる
私が次の職場を決めずに辞めたのは、営業企画の職場の1回だけで、ほかはすべて次を決めてから辞めました。どちらの場合も、辞める日を決める前に、お金のことを確かめておくと、あとで慌てずに済みます。
– 今の会社の最後の給与と、次の会社の最初の給与がいつ入るか(締め日と支払日)
– 賞与の支給日と、支給日に在籍していることが条件になっていないか
– 次の給与が入るまでの生活費の蓄えがあるか
– 次を決めずに辞めるなら、失業保険がいつから出るか
給与の締め日と支払日
私が見ていたのは貯金くらいでしたが、転職の途中で、1か月分ほど給与が入らない月がありました。給与が支払われなかったわけではなく、締め日と支払日の組み合わせで、入る時期がずれたためです。
たとえば、今の会社がその月の給与をその月のうちに払う会社で、次の会社が翌月に払う会社だとします。月末で辞めて翌月1日に入社すると、入社した月には給与が1回も入りません。締め日と支払日は、今の会社の就業規則と、次の会社の労働条件の書面で確かめられます。
賞与の支給日
賞与は、就業規則に「支給日に在籍している人にだけ払う」という決まりがあれば、支給日の前に辞めると、原則としてもらえません(J-Net21)。支給の条件は会社ごとに違うので、就業規則や賃金規程で確かめておくと安心です。退職の時期を調整できるなら、賞与を受け取ってから辞めたほうがいいと、私は思います。
次を決めずに辞めるなら、失業保険の給付制限
正当な理由のない自己都合で辞めると、失業保険(雇用保険の基本手当)はすぐにはもらえません。7日間の待期のあとにも、手当が出ない期間(給付制限)があります。
令和7年4月1日以降に離職された方は、正当な理由がない自己都合により退職した場合、給付制限期間が原則1か月となります。(厚生労働省 群馬労働局・ハローワークのリーフレットより)
同じリーフレットには、退職日からさかのぼって5年のうちに、自己都合で辞めて失業保険を受け取る手続きをしたこと(受給資格の決定)が2回以上ある場合、給付制限が3か月になることも書かれています。制度は変わることがあるので、自分の場合はハローワークで確かめておくと安心です。
在職中に、転職エージェントに相談する
在職中に転職エージェントに相談すると、求人票には載っていない職場の雰囲気や離職率も聞きやすくなります。私も不動産会社に入るときに、リクルートエージェントの担当の方から聞いていました。
私が実際に使ったエージェントは、「HSPにおすすめの転職支援サービス10選」にまとめました。エージェントどうしを比べたい方は、「HSPにおすすめの転職エージェント5選」も参考にしてください。
まとめ
- 辞めたい理由は、①役職・担当・仕事の量、②会社の仕組みや離れられない相手、③仕事の中身も人も環境も全部、の3つに分けると見えやすい
- 役職や担当、仕事の量が理由なら、役職を降りる・担当を替える・分担してもらうなど、辞めなくても変えられることがある
- 私が辞めなくてもよかったと思うのは、マネジャーという役職が合わなかった不動産会社の1回だけ
- 会社の仕組みや離れられない相手が合わない、または全部が合わないなら、お金と次の職場を準備して離れるのも一つの判断
- 辞めると決めたら、給与・賞与・失業保険のことを先に確かめておく
「もう無理」と思ったときは、辞める前に一度、辞めたい理由が3つのどれに当たるかを見てみてください。辞めても、辞めなくても、自分で納得して次に進めることを願っています。



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