HSP気質で、これまで6回の転職を経験してきました。うまくいった転職もあれば、はっきり後悔した転職もあります。焦りを抱えたまま決めた転職も、6回のうち2回ありました。

- 次の転職では失敗したくない、と強く思っているHSPの方
- 面接で感じた小さな違和感を、気のせいにしようとしている方
- 早く決めなきゃという焦りに、押されそうになっている方
いま振り返ると、面接で覚えた違和感を見ないふりして入社したときに、いちばん悔いが残っています。
この記事のポイント
– 面接で覚えた違和感を見ないふりして入ると、後悔につながることがある(私は約4か月で辞めた)
– 「なじめないのは自分が悪い」と思っていると、違和感を見ないふりしやすい
– 私が落ち着いて働けたのは、少人数で、立ち上げから関われる職場だった
– 面接の違和感も、仕事内容や収入と同じように判断の材料にしていい
約4か月で辞めた転職で起きたこと
面接で気になった社長の話し方
転職先は、営業社員が大半を占める保険代理店でした。会社全体では700人ほどいましたが、本部の機能は50人ほどで、私はそこに営業企画として入りました。
面接の場で、社長の話し方に引っかかりがありました。組織のことや人のことに触れる場面で、悪口に聞こえる言い回しが何度も出てきたからです。
それでも私は、次の2つを見て「どうにかなるだろう」と入社を決めました。
- 営業ではなく、営業企画という初めての経験ができる
- 収入面の条件も、前の会社より上がった
違和感そのものを深く考えることは、しませんでした。焦って決めた2回の転職のうち、1回がこのときです。前の会社への不満がたまっていて、「辞めたい」という気持ちが先に立ち、転職先の会社をよく調べないまま決めてしまいました。
前の職場は5年続いていました。いま振り返れば、自分に合っていた職場です。合っている場所を辞めるわけですから、本当はもっと慎重になるべきでした。
入社後の「聞けない」悪循環
働き始めてすぐ、社内システムの使い方や細かい決まりごとが分かりませんでした。まず聞く相手は、同じチームの人です。
最初のころは丁寧に教えてくれた人でしたが、私が入ったことでその人の役回りが変わり、受け答えが少しずつネガティブな印象になっていきました。質問をしても、私が知りたいところまで細かくは答えが返ってきません。

同じことを何度も聞きに行くことになり、その往復自体がしづらくなりました。聞けないまま進めれば仕事が滞り、滞ればまた聞きに行くしかありません。聞きづらさが仕事の滞りを生み、滞りがまた聞きづらさを強める悪循環でした。
すでに動いている運用の中に入ったので、「これをやっていいのか」と細かいことまで気にしすぎて、悩みすぎていた時期でした。
人に動いてもらう仕事のつらさ
営業企画は、自分の手元で仕上げて終わる仕事ではありません。関係のできていない全国の営業担当を相手に、次のことをする仕事でした。
- 「こうします」「こうしたい」と一斉に発信する
- 会議に集まってもらう
- お願いごとをして、動いてもらう
返ってくる反応はネガティブなものが中心で、そのなかで進めることが、とにかくつらかったです。同じチームの人とのやり取りもうまくいかず、ミスが増えて、どんどん萎縮していったのを覚えています。結局、約4か月で退職しました。
仕事内容と収入の条件はよかったものの、聞けない悪循環と、人に動いてもらう仕事のつらさが重なり、長く続けられませんでした。
「なじめないのは自分が悪い」という思い込み
当時の私は、「環境になじめないのは自分が悪い」という前提で考えていました。この前提に立つと、どんな環境でも自分が合わせるしかなく、うまくいくかどうかも自分次第だと思えてきます。
「なじめないのは自分が悪い」と考えていたので、面接の違和感も「入ってから自分がどうにかすればいい」と片づけてしまいました。この考え方がHSPの特性から来るのか、私の性格なのかは、分けられません。私の場合は、合わない理由を環境より先に自分に探す癖がありました。
後悔した職場と、落ち着いて働けた職場
6回の転職を環境で並べてみると、後悔した職場と落ち着いて働けた職場には、それぞれ共通点がありました。
後悔が残った職場
- 一つの決めごとに、多くの人が関わる大きな組織
- 中途で、すでに動いている運用の中に入った
- 何を考えているのか読めない人が上にいた
営業企画で入った保険代理店も、保険代理店の中では大きめの組織で、すでに動いている運用の中に中途で入る形でした。
落ち着いて働けた職場
- 少人数で動ける部署
- 立ち上げの段階から関われた
- 横並びで始められる、または自分が一番わかっている状態
少人数で、立ち上げの段階から横並びで関われる環境だと、私は落ち着いて働けました。

私はもともと、自分の意思決定にあまり自信がありません。だから関わる人数が増えるほど人の目が気になり、消耗も大きくなりがちです。自分がどんな環境で力を出せるかを知らないまま選んだことが、私の場合は後悔につながりました。
口を出されない職場は続いた
社長とのやり取りに違和感を覚えた会社は、実はもう1社あります。その次に入った、5人ほどの小さな保険代理店です。約4か月で辞めたときは先に退職を決めていたので、無職の期間ができる前にと急いで決めました。焦って決めた転職の、もう1回です。社長は脈絡のつかめない質問を重ねる人で、答えても感想や反応が返ってこないので、やり取りのリズムがつかめませんでした。
それでも、日々の仕事への干渉はほとんどありませんでした。やり方も動き方も自由で、それぞれが自分のタスクに向き合う職場でした。営業企画の仕事のように、チームを巻き込んで発信する場面もありません。
| 大きめの保険代理店(約700人) | 小さな保険代理店(5人ほど) | |
|---|---|---|
| 社長への違和感 | 組織や人に触れる場面で、悪口に聞こえる言い回しが何度も出た | 脈絡のつかめない質問が続き、答えても感想や反応が返らない |
| 仕事の進め方 | 全国の営業担当に発信して、人に動いてもらうのが仕事 | 干渉はほとんどない。各自が自分のタスクに向き合い、チームを巻き込む発信もない |
| 結果 | 約4か月で退職 | 続けられた |
上が何を考えているのか読めなくても、日々の仕事に口を出されず、自分のやり方で進められる職場では続けられました。
- 続いた職場・続かなかった職場のくわしい話は、転職を繰り返すHSPは異常? 6回転職した私が気づいたことに書いています
後悔から学んだ、次の職場の選び方
後悔した転職を経て、いまは、合う・合わないは私の努力より先に環境で決まっている面が大きい、と思えるようになりました。
違和感も判断の材料に入れる
いまは、カジュアル面談や選考の途中で引っかかりがあれば、そこから先へ進まない選択をしています。ただ、最終面接まで進んだ会社を、違和感だけを理由に断ったことはまだありません。見抜き方をお伝えできる立場ではありませんが、面接で覚えた違和感を、仕事内容や収入と同じ重さで扱うことは、自分のなかで決めています。
- 面接で職場の様子を確かめる質問の例は、HSP転職チェックリストにまとめています
いまの会社にも不満はありますが、続けられる環境だと思えていて、辞める選択肢は今のところありません。6回の転職を経て、条件よりも先に、自分が続けられる職場かどうかを確かめるようになりました。
後悔した転職も、次の職場を選ぶときの判断材料になる、と私は思っています。
- 環境との相性については、HSPで仕事が続かないのは弱さじゃないへ
- 向いてない職場の見分け方は、HSPの私が6回転職して気づいた「向いてない職場」の特徴と選び方にまとめています
- 転職の進め方の全体像は、HSPの転職完全ガイドにあります
- 一人で見極めるのが難しいときは、HSPにおすすめの転職支援サービス10選も参考にどうぞ
つらさが強いときは、厚生労働省の「こころの耳」など、公的な窓口も頼ってみてください。
まとめ
- 仕事内容と収入を見て「どうにかなるだろう」と入社し、すでに動いている運用の中で聞けずに悩んで、約4か月で辞めた
- 「なじめないのは自分が悪い」と思っていたので、違和感は「自分次第」で片づけていた
- 後悔した職場は、大きな組織で運用がすでに動いていた。落ち着いて働けたのは、少人数で立ち上げから横並びで関われた職場だった
- いまは、面接の違和感も、仕事内容や収入と同じように判断の材料に入れている
違和感を覚えたら、その違和感を「自分次第」で片づける前に、いったん立ち止まってみてください。立ち止まるだけでも、選び方は変わると思います。


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