HSP気質で、これまで6回の転職を経験してきました。うまくいった転職もあれば、はっきり後悔した転職もあります。焦りを抱えたまま決めた転職も、6回のうち2回ありました。

- 次の転職では失敗したくない、と強く思っているHSPの方
- 面接で感じた小さな違和感を、気のせいにしようとしている方
- 早く決めなきゃという焦りに、押されそうになっている方
いま振り返ると、面接で覚えた違和感を見ないふりして入社したときに、いちばん悔いが残っています。
この記事のポイント
【後悔した転職】面接で社長との違和感を覚えながら「どうにかなるだろう」と入社し、なじめずに辞めました
【見ないふりした理由】「なじめないのは自分が悪い」を前提にすると、違和感は「自分次第」で片づいてしまいます
【学んだこと】面接の違和感を、仕事内容や収入と同じように判断の材料に入れます
私は面接で覚えた違和感を見ないふりして、4社目に入社しました
面接で社長との違和感を覚えながら、私は「どうにかなるだろう」と入社を決めました
4社目は、営業社員が大半を占める保険代理店でした。会社全体では800人ほどいましたが、本部の機能は30〜40人ほどで、私はそこに営業企画として入りました。
面接の場で、社長の話し方に小さな引っかかりがありました。組織のことや人のことに触れる場面で、悪口に聞こえる言い回しが何度も出てきます。強く何かを言われたわけでも、失礼な扱いを受けたわけでもありません。
それでも当時の私は、次の2つを見て「どうにかなるだろう」と考えました。
- 【仕事内容】営業ではなく営業企画という、初めての経験だった
- 【条件】収入面の条件も、前の会社より上がった
違和感そのものを深く考えることは、しませんでした。当時は前の会社への不満がたまっていて、「辞めたい」という気持ちのほうが先に立ち、その会社のことをよく調べないまま決めています。
ただ、2回の焦りは中身が違います。4社目のときは、この「辞めたい」という気持ちでした。もう1回は、先に退職を決めてしまったので、無職の期間ができる前に次を決めたい、という焦りです。
前の職場は5年続いていました。いま振り返れば、自分に合っていた職場です。合っている場所を辞める転職ですから、本当はもっと慎重になるべきでした。当時の私は、そこまで考えていません。
入社してから、私は分からないことを聞けずに悩みました
働き始めてすぐ、社内システムの使い方や細かい決まりごとが分かりませんでした。まず聞く相手は、同じチームの人です。
最初のころは丁寧に教えてくれた人でしたが、私が入ったことで役回りが変わり、受け答えが少しずつネガティブな印象になっていきました。質問をしても、私が知りたいところまで細かくは答えが返ってきません。
同じことを何度も聞きに行くことになり、その往復自体がしづらくなりました。聞けないまま進めれば仕事が滞り、滞ればまた聞きに行くしかありません。聞きづらさが仕事の滞りを生み、滞りがまた聞きづらさを強める悪循環でした。
すでに動いている運用の中に入ったので、「これをやっていいのか」と細かいことまで気にしすぎて、悩みすぎてつらい時期でした。
営業企画は、自分の手元で仕上げて終わる仕事ではありません。関係のできていない全国の営業担当に「こうします」「こうしたい」と発信し、会議に集まってもらい、お願いをして動いてもらう形でした。
返ってくる反応はネガティブなものが中心で、そのなかで進めることが、とにかくつらかったです。同じチームの人とのやり取りもうまくいかず、ミスが増えて、どんどん萎縮していったのを覚えています。結局、3か月で退職しました。
仕事内容も収入も条件はよく、それでも私は、すでに動いている運用の中で聞けずに悩み、長く続けられませんでした。
私はなぜ、面接で覚えた違和感を見ないふりしたのか
当時の私は、「環境になじめないのは自分が悪い」という前提で考えていました。
この前提に立つと、次のような考え方になります。
- 【合わせる】どんな環境でも、自分が合わせる必要がある
- 【自分次第】うまくいくかどうかは、環境ではなく自分次第

そう考えると、面接で覚えた違和感も「入ってから自分がどうにかすればいい問題」にしか見えませんでした。「なじめないのは自分が悪い」を前提にした結果、違和感は「自分次第」で片づいてしまいました。
この考え方がHSPの特性から来るのか、私の性格なのかは、分けられません。私の場合は、合わない理由を環境より先に自分に探す癖がありました。
私が後悔した職場と、落ち着いて働けた職場は、環境が違いました
6回の転職を環境で並べてみると、後悔した職場と落ち着いて働けた職場には、それぞれ共通点がありました。
後悔が残った職場は、大きな組織で、すでに運用が動いている環境でした
- 【規模】一つの決めごとに、多くの人が関わる大きな組織
- 【入り方】中途で、すでに動いている運用の中に入った
- 【上司】何を考えているのか読めない人が上にいた
4社目も、保険代理店としては大きめの組織で、すでに動いている運用の中に中途で入る形でした。
落ち着いて働けた職場は、少人数で、立ち上げの段階から関われました
- 【人数】少人数で動ける部署
- 【時期】立ち上げの段階から関われた
- 【立場】横並びで始められる、または自分が一番わかっている状態
少人数で、立ち上げの段階から横並びで関われる環境だと、私は落ち着いて働けました。

社長とのやり取りに違和感を覚えた会社は、実はもう1社あります。5人ほどの小規模な代理店で、社長は脈絡のつかめない質問を重ねる人でした。答えても感想や反応が返ってこないので、やり取りのリズムがつかめません。
それでも、日々の仕事への干渉はほとんどありませんでした。やり方も動き方も自由で、それぞれが自分のタスクに向き合う職場でした。人に動いてもらって成果を出す4社目とは、求められることが違います。
社長に違和感を覚えても、日々の仕事への干渉が少ない職場では続けられました。面接での違和感だけでは、続けられるかどうかまでは決まりませんでした。入ったあとに日々の仕事を自分のやり方で進められるかどうかで、私の場合は結果が分かれています。
私はもともと、自分の意思決定にあまり自信がありません。だから関わる人数が増えるほど人の目が気になり、消耗も大きくなりがちです。自分がどんな環境で力を出せるかを知らないまま選んだことが、私の場合は後悔につながりました。
続いた職場・続かなかった職場のくわしい話は、転職を繰り返すHSPは異常? 6回転職した私が気づいたことに書いています。
私は失敗から、違和感を「自分次第」で片づけないことを学びました
4社目の経験を経て、いまは、合う・合わないは私の努力より先に環境で決まっている面が大きい、と思えるようになりました。
次に選ぶなら、私は違和感を判断の材料に入れます
4社目のとき、私は仕事内容と収入という条件だけを見て決め、面接の違和感は判断の材料に入れませんでした。
次に選ぶなら、面接で覚えた違和感を、仕事内容や収入と同じように判断の材料に入れます。「どうにかなるだろう」と思った時点で、いったん立ち止まるつもりです。
いまは、カジュアル面談や選考の途中で引っかかりがあれば、そこから先へ進まない選択をしています。ただ、最終面接まで進んだ会社を、違和感だけを理由に断ったことはまだありません。見抜き方をお伝えできる立場ではありませんが、違和感を条件と同じ重さで扱うことは、自分のなかで決めています。
後悔した転職があったからこそ、自分に合う条件が具体的になりました
いまの会社にも、不満はあります。それでも続けられる環境だと思えていて、辞める選択肢は今のところありません。6回の転職を経て、条件よりも先に、自分が続けられる職場かどうかを確かめるようになりました。
だから、いま後悔している方にも「その経験は次の判断材料になる」と伝えたいと思っています。回数そのものより、次をどう選ぶかのほうが大切です。
- 環境との相性については、HSPで仕事が続かないのは弱さじゃないへ
- 向いてない職場の見分け方は、HSPの私が6回転職して気づいた「向いてない職場」の特徴と選び方にまとめています
- 転職の進め方の全体像は、HSPの転職完全ガイドにあります
- 一人で見極めるのが難しいときは、HSPにおすすめの転職支援サービス10選も参考にどうぞ
つらさが強いときは、厚生労働省の「こころの耳」など、公的な窓口も頼ってみてください。
まとめ
- 【後悔した転職】仕事内容と収入を見て「どうにかなるだろう」と入社し、すでに動いている運用の中で聞けずに悩んだ
- 【見ないふりの理由】「なじめないのは自分が悪い」を前提にすると、違和感は「自分次第」で片づいてしまう
- 【環境の違い】後悔した職場は大きな組織・すでに運用が動いている環境、落ち着いて働けた職場は少人数・立ち上げ期・横並び
- 【学んだこと】面接の違和感を、仕事内容や収入と同じように判断の材料に入れる
違和感を覚えたら、その違和感を「自分次第」で片づける前に、いったん立ち止まってみてください。立ち止まるだけでも、選び方は変わると思います。


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