会議で発言できないと、自分だけ何も考えていないように見えてしまいます。私も、この居心地の悪さを長く抱えてきました。

- 会議で言いたいことがあるのに、口に出せないまま終わってしまうHSPの方
- 発言する前に、頭の中で何度もリハーサルしてしまう方
- 黙っている自分を、意欲がないと誤解されそうで不安な方
ただ、いま振り返ると、考えていないから黙るのではなく、考えすぎて黙っているのだと感じています。
この記事のポイント
【黙る理由】話す中身と同時に、見られ方と求められている答えを処理していて、口を開くまでが遅い
【私がやっていること】事前にアジェンダを確認して、聞かれそうなことの要点をメモにまとめておく
【準備の範囲】準備した範囲なら予想外の質問にも答えられることがある。範囲の外では、いまも止まる
【言えなかったとき】「後で送って」と言ってくれる相手には、社内チャットで整理して送る
HSP(Highly Sensitive Person)は、物事を深く処理し、まわりの反応を受け取りやすい気質とされています(参考:アーロン博士の公式サイト)。私はHSP気質で6回転職してきて、いまは法人営業です。会議は、いまの仕事にもあります。
なぜ私は、会議のその場で口に出せなくなるのか
私の場合、口に出せない理由は、自信のあるなしだけでは説明がつきません。頭の中では、話す中身とは別のことを同時に処理しています。
- 【見られ方】言う中身を考えている途中で、「この言い方で変に聞こえないか」が割り込んでくる
- 【出す形】納得してもらえる理由を、頭の中で整理してから出したくなる
- 【場の流れ】回答する人のほうが少ない場だと、口を開くだけで目立つ
- 【相手の正解】自分がどう思うかより先に、この場で何を求められているかを考える

一つ目と四つ目が、とくに大きいと感じるところです。話す中身と同時に、見られ方と求められている答えを処理しているので、口を開くまでに時間がかかります。
私が実際に、言いたいことを飲み込んだ会議
会議のアジェンダの一つに、サポートを強化したい案件のヒアリングがあったときのことです。私は自分の案件を出そうかと考え、強化したいと納得してもらえる理由を頭の中で整理していました。ただ、口に出す前に、次のことが浮かんできます。
- 【基準】サポートするに値する基準の案件なのか
- 【至らない点】自分の至らない点が垣間見られないか
- 【周りの目】そこを指摘されて、逆に周りの目が気になる状況にならないか
回答する人のほうが少なく、口を開けば目立つ場でもあります。結局、私は発言を控えました。このとき、上の4つが頭の中で同時に動いていたのだと思います。出そうかと考えた中身より、出したあとに起きることの処理のほうが先に進んでいたのでしょう。
HSPの気質でいう「深く処理すること」と「まわりの反応を受け取りやすいこと」が、会議ではこの形で出やすいのだと思います。
思いついたことをまず口に出して、場の反応を見ながら整えていく人もいます。そのやり方が悪いわけではなく、私は出す前の処理が長いだけです。考えが浅いのではなく、処理している情報が多すぎる状態だと見ています。
読者の方が試すなら
黙ってしまった会議のあとに、「言おうとした中身」と「言う前に割り込んできたこと」を分けて書き出してみる
自分がリードを取るプロジェクトの会議は私が進行しますが、そこで見られ方に神経を使う話はHSPが仕事で疲れ果てる理由と向き合い方に書きました。会議の前に頭の中でリハーサルを繰り返してしまう癖は、HSPが小さなミスを一日引きずる理由に書いています。
私は会議の前に、アジェンダを確認して考えをまとめておく
会議の場で一から組み立てようとすると、上に書いた処理が全部同時に起きかねません。そのため私は、できれば事前にアジェンダを確認しておいて、自分の考えや意見を少なからずまとめておくようにしています。
準備していても、話し始めに「まだ整理しきれていませんが」と前置きすることがあります。ただ、しすぎると言い訳がましく聞こえるので、一言くらいがちょうどいいです。
私はメモを、会社のクラウドツールに書いておく
メモは、会社で使っているクラウドツールに書いています。書く中身は、その会議で何を聞かれそうかしだいで、たとえば次のような要点です。
- 【案件について聞かれそうなとき】進捗の状況で、伝えるべき要点
- 【トラブルが解決した案件を共有しそうなとき】簡単な時系列と、話すべき要点
どの会議でも、聞かれそうなことを先に決めて、その要点をまとめておく、という形は同じです。頭の中で繰り返すだけでなく、少し実際に声に出して練習しておいたこともありました。
「何を求められているか」を会議の前に一つ済ませておくと、その場で同時に処理するものが一つ減ります。
読者の方が試すなら
次の会議で聞かれそうなことを1つだけ決めて、その要点を数行書いておく
アジェンダが配られない会議では、私は聞き役に徹する
アジェンダが事前に配られない会議のときは、特に発言が求められないようであれば、私は聞き役に徹します。
求められていないのに口を開こうとすると、考えをまとめる作業まで、会議中に同時に抱えることになりかねません。私は同時に処理するものを増やさないために、聞くほうに回っています。
読者の方が試すなら
アジェンダが無い会議では、まず「この場で自分に発言が求められているか」を見る。求められていないなら、黙って聞いていることは、意欲がないこととは別です
私は、準備した範囲なら予想外の質問にも答えられることがある
事前に考えておくと、その事柄についての考えや示唆を、自分の中に持つことになります。そのため、聞かれると思っていなかった質問でも、準備した事柄の範囲なら答えられることがある、というのが実際のところです。
準備の外から来た質問に、私は言葉が出なかった
一方で、準備の外から来る質問には、いまも止まります。いまの職場でも、手元の見込みで数字が足りないときに、具体策を聞かれて何も出てこなかったことがありました。そのときは「再度チームで案を出す」と提案して終えましたが、決まった切り抜け方があったわけではなく、その場しのぎでした。
手持ちの答えが無い質問に、その場で答えを組み立てて返すときに、私はいちばん止まりやすいと感じています。見込みの数字をめぐる違和感そのものは、HSP営業がノルマで消耗する理由に書きました。
その場で口に出しながら考えを組み立てられる人もいるでしょう。私は何も無いところから声に出しながら組み立てるのに時間がかかるので、準備の範囲を広げていくしかないと思っています。
読者の方が試すなら
止まった質問を、そのまま次の会議の準備項目に足しておく
私は、会議のその場で言うことだけが意見の出し方だとは思っていない
会議で活発に話す人が評価されやすい場面は、実際にあるでしょう。その場で意見を出せる人の強みは、私にもよく分かります。
一方で、会議のその場で言うことだけが、意見の出し方として認められるとは限りません。
私は会議では簡単に答えて、整理したものを後から社内チャットで送ることがある
会議で言い切れなかったことを、後からテキストで整理して送ったことがあります。いまは、社内のチャットツールで送ることがほとんどです。トラブル対応中の状況を会議で聞かれたときは、簡単に答えたうえで、状況を整理して連携する、と返しました。
ただし、私は「後で何かあったら送ってください」と言ってくれている相手にだけ、後から送ります。誰にでも後から送ればいい、とは思っていません。
会議のその場では上に書いた処理が同時に起きますが、テキストなら、まとまってから出せます。
読者の方が試すなら
後で送ってと言ってくれる相手がいるなら、その場で簡単に答えて、整理したものを後から送る。そう言ってくれる相手がいない職場なら、まず事前の準備のほうから始める
会議のたびに消耗するなら、場との相性も疑ってみる
ここまで準備をしても、会議のたびにひどく消耗するなら、話し方の問題ではなく、場との相性を疑ってみてもいいと思います。すぐに環境を変えるという意味ではなく、消耗の原因が自分の話し方だけではない、と見方を一つ増やすためです。
会議以外の場面については、次の記事に書いています。
- 消耗が続くときは、HSPで仕事が続かないと悩む方へへ
- 職場の人との距離の取り方は、HSPの職場の人間関係がしんどい理由もどうぞ
- 環境を変えることも考えるなら、HSPに向いている転職・仕事探し完全ガイドに進め方があります
気持ちの落ち込みが続いて、日常生活にも影響が出るようなら、一人で抱え込まず、厚生労働省の「こころの耳」などの公的な窓口も頼ってみてください。
まとめ
- 会議で黙ってしまうのは、考えていないからではなく、考えすぎている状態のことが多い
- 私は話す中身と同時に、見られ方と求められている答えを処理しているので、口を開くまでが遅い
- 私がやっているのは、事前にアジェンダを確認して、聞かれそうなことの要点をクラウドツールのメモにまとめておくこと
- 準備した範囲なら予想外の質問にも答えられることがある。準備の外では、いまも止まる
- アジェンダが無い会議で発言が求められないなら、聞き役に徹する
- 「後で送って」と言ってくれる相手には、その場で簡単に答えて、社内チャットで整理して送る
黙ってしまう自分を責める前に、次の会議で聞かれそうなことを1つ決めて、その要点を数行書いておくところから始めてみてください。会議の前に一つ済ませておくだけでも、その場で同時に処理するものは減ると思います。


コメント