HSP気質で6回転職してきた私は、仕事の内容以上に、人に消耗してきました。

- 上司の機嫌ひとつで、その日の調子が決まってしまうHSPの方
- 何を考えているか分からない上司に、強く気を張ってしまう方
- 顔色をうかがう自分を、情けないと感じている方
私は2種類の上司に消耗しました。ひとつは機嫌が顔に出る上司、もうひとつは思考が読めない上司です。振り回され方は違っても、どちらも同じだけ消耗し、相手の正解を探し続けて頭が休まらない点は共通していると感じています。
HSP(Highly Sensitive Person)は、人の表情や場の空気を細かく受け取りやすい気質と言われています(参考:アーロン博士の公式サイト)。
私は「機嫌が顔に出る上司」と「思考が読めない上司」の両方に消耗した
同じ「機嫌に振り回される」でも、相手によって振り回され方は違いました。私が上司に消耗した職場は2社あり、どちらも相手は社長で、一方が機嫌が顔に出る上司、もう一方が思考が読めない上司でした。

「今よろしいでしょうか」と声をかけるために、私は何度もデスクへ足を運んでいた
一方の職場では、何かを進めるときに基本的に社長へ事前に話を通す必要がありました。その社長は感情がすぐ顔に出る人で、機嫌が悪いときは、ため息、イライラしている様子、目が笑っていない、せかせかしている、といった形で分かる人でした。
社長は外出も多かったので、いつ席に戻るかを見ながら、何度もデスクの近くに足を運んでいました。声をかける前に私が頭の中で考え続けていた点は、次のとおりです。
- いつ社長が戻ってくるのか
- 今の社長の機嫌で話しかけて大丈夫か
- どういう言い方で伝えるか
顔に出る相手なので機嫌そのものは読め、「今は避けよう」という判断はできました。ただ、声をかけたあとも、伝える内容がどう受け取られるかを考えながら報告していたので、気持ちが落ち着くことはありませんでした。声をかける前も、報告の間も、社長の受け取り方を考え続けていたのを覚えています。
読者の方が試すなら:上司に声をかける前に頭の中で並べていることを、いちど書き出してみてください。
思考が読めない上司の前で、私は「どう答えればよかったのか」が分からないままだった
もう一方は、人数が5名ほどの小さな会社で、ほぼ社長と私の2人で日々の業務を進めていました。事務所でも2人になることが多く、そのなかで、前後の文脈なく唐突に質問を投げかけられる場面が、私にはとくに負担でした。
たとえば「〇〇君ってこれについてどう思う?」と、突然聞かれる形でした。その質問に至る背景や意図は、まったく説明されません。
- 質問の意図や、話の前提が何なのか
- そもそも社長がどう考えているのか
- 単に聞いているだけなのか、同調を求めているのか、意見を引き出したいのか、それとも説教をしたいのか
どの点も読み取れないまま、私は答えていました。政治のニュースについて聞かれたときも、仕事につながる話を考えなければいけないのか、ただ感想を聞いているだけなのか、前後の会話が何もないので何も見えず、とても困ったのを覚えています。
私が返した回答に対しても特にリアクションがなく、結果として、「自分はどう答えればよかったのか」が分からないまま、思考が行き場をなくしました。私としては「このやり方についてこう考えている。こうしたいと思っているが、〇〇君はどう思う?」のように、前後の流れを踏まえて聞いてもらえると考えやすいと感じていました。
前後の流れがない質問は、答える材料がないので、見えない部分を想像で埋める作業が始まっていました。
- 自分の発言が、社長にどう受け取られたのか
- 言い方に問題があったのではないか
- 本当は、こう伝えるべきだったのではないか
どれも相手あっての問いなので、答えは出ませんでした。出口のない問いを抱え続けるので、体より先に頭が疲れていったと感じています。
私にとって、2人の上司は形が違っても同じだけ消耗する相手だった
気を張る先は、顔に出る上司なら顔色、読めない上司なら判断材料のない問い、と違うだけで、私の消耗の量に差はありませんでした。
なぜ私は、上司の機嫌にここまで振り回されるのか
自分が弱いからだと責めてしまいがちですが、HSPの気質から見ると、私にはいくつかの傾向が重なっています。
- 【小さな差に気づく】ため息や目が笑っていない、といった表情や声のわずかな違いを拾うので、入ってくる情報量が多い
- 【深く処理する】唐突な質問の意図を、同調なのか、意見を引き出したいのか、説教なのかと、いくつも並べて考え続ける
- 【相手の正解を探す】自分の意見を伝えるより先に、相手の感情を尊重しようとする
私の場合は三つ目がいちばん大きく、自分の正解ではなく、相手の正解を探し続けるので、頭が休まりません。顔に出る上司では顔色を見て探し続け、読めない上司では探す先がないまま問いだけが残りました。どちらの上司でも、探し続けていること自体は同じでした。
同じ職場には、あっけらかんとした性格の人も多くいました。同じ社長の下で、なぜ自分だけがここまで気を張るのか、当時は不思議に思っていましたが、HSPの気質を知ってから振り返ると納得できます。
私がここまで振り回されるのは、弱さというより、相手の正解を探し続ける気質の表れだと考えています。
私は「自分が思っている以上に、相手は何も考えていない」と割り切ろうとし、転職で楽になった
私はまず、相手は自分が思うほど考えていない、と思うようにした
相手の正解を探し続ける頭を止めるために、私は「自分が思っている以上に、相手は何も考えていない」と思うようにしました。ただ、相手が本当に何も考えていないと確信できるようになるには、相手との間に一定の関係性がないと難しいと感じています。
確信が持てた場面は、いまの職場にあります。ただし直接ではなく、人づてです。HSPだと分かって仲良くなった人と、私が気にしていた相手の話になったとき、その人は相手と近い立場にいて、「あの人、言うほど何も考えてないから、気にしないほうがいい」と言ってくれました。自分の中だけでは持てなかった確信が、相手をよく知る人の一言で持てた、というのが実際のところです。
私は5人の保険代理店に転職して、干渉度の低い職場で楽になった
逐一お伺いを立てていた職場を辞めて5人の保険代理店に移ってからは、一言で言えば楽になり、いろんな思考から解放される感じでした。ひどいときは考えすぎて精神的に病みそうになっていたので、その差は大きかったと感じています。
この代理店は、先に書いた思考が読めない社長の会社です。唐突な質問には消耗しましたが、それでも3年続いています。とはいえ、最後は社長との相性に苦しんで辞めました。それでも前の職場より楽だった理由を振り返ると、日々の仕事への干渉度の低さが、いちばん大きかったと思います。
- やり方や動き方は自由で、各々が自分のタスクに向き合う
- チームや組織を巻き込んで何かを発信することもない
- 少人数で動けて、困ったときに安心して相談できる空気がある
何かを進めるたびに社長へ話を通していた職場とは、ここが逆でした。いまの職場も、入社したときはまだ立ち上げの時期で営業は私1人だったので、やり方は自分の裁量で決められました。
私が2社の退職から得た基準は、一緒に働く人と事前に会話して、居心地の良さを優先すること
上司に消耗した2社は、どちらも入社前の面談で社長と直接話したときに、相手からの圧力や会話の居心地の悪さといった違和感がありました。その違和感に目をつぶり、やりたい仕事を優先して入社した結果、結局はその違和感がいちばんのストレスになって退職しています。
これから職場を選ぶ方は、一緒に働く人とできる限り事前に会話をして、会話の居心地の良さを優先してみてください。
- 営業職に限った職場選びの3つの基準は、【HSP×営業】6回の転職でわかった!営業職で続けられる職場を選ぶ3つのポイントに、2人の社長の話とあわせて書いています
- 職場の人との距離の取り方そのものは、HSPの職場の人間関係がしんどい理由と、私の距離の取り方へ
- 消耗が抜けないときは、HSPが仕事で疲れ果てるのはなぜ?6回転職した私が気づいた疲れの正体と向き合い方へ
- 環境との相性に迷ったら、HSPで仕事が続かないのは弱さじゃない|6回転職した私の結論もどうぞ
- 職場を変えることも視野に入れるなら、HSPの転職完全ガイド|6回転職した私がたどり着いた「自分に合う職場」の見つけ方に進め方があります
気持ちの落ち込みが続いて日常生活にも影響が出るようなら、厚生労働省の「こころの耳」など公的な窓口も頼ってみてください。
まとめ
- 私は機嫌が顔に出る上司と、思考が読めない上司の両方に消耗した
- 顔に出る上司には、席に戻るタイミングを見ながら何度もデスクへ足を運び、声をかける前も報告の間も受け取り方を考え続けた
- 読めない上司には、前後のない質問にどう答えればよかったのかが分からないまま、考え続けた
- 共通していたのは、相手の正解を探し続けて頭が休まらないこと
- 振り回されるのは弱さではなく、相手の正解を探し続ける気質の表れ
- 私は「自分が思っている以上に、相手は何も考えていない」と思うようにしたが、確信が持てるには一定の関係性がないと難しく、相手をよく知る人の一言でやっと持てた
- 5人の保険代理店に転職して干渉度の低い職場に移り、いろんな思考から解放されて楽になった(3年続いたが、最後は社長との相性で辞めた)
読者の方が試すなら:上司に何かを聞かれたあと、質問の意図をいくつも並べて考えている自分に気づく、というところから始めてみてください。
顔色をうかがってしまう自分を責めている方が、その振り回され方を弱さではなく、相手の正解を探し続ける気質の表れだと思えて、自分を責める時間が少しでも減ることを願っています。


コメント