HSPの4タイプは、提唱者のアーロン博士がつけた分類ではありません。博士が書いている2つの性質を組み合わせて、日本で広まった分け方です。2つの性質とは「外向か内向か」「刺激を求めるか」で、どれに近いかを知ると、自分がどんな場面で疲れやすいのかを考えるヒントになります。

- HSPは内向的と聞くけれど、人と話すのは嫌いではなく、しっくりこない方
- 新しいことが好きですが、疲れやすく、自分がHSPなのか迷っている方
- 4タイプのうち、自分がどれに近いのかを知りたい方
私はHSP気質で6回転職し、いまは法人営業をしています。4タイプでいうと、私は「内向型HSP」に近いタイプです。
この記事でわかること
– HSPの4タイプは、それぞれどう違うのか
– 自分はどのタイプに近いのか(2つの問いで見る目安)
– タイプごとに、どんな場面でしんどくなりやすく、どんな環境が合いやすいのか
HSPそのものの定義や4つの特徴(DOES)は、HSPとは?提唱者の定義と、当事者の私が照らし合わせて分かったことにまとめました。
HSPの4タイプは、2つの軸の組み合わせで分かれる
4タイプは、次の2つの軸の組み合わせで決まります。
- 【外向か内向か】大勢の集まりや初対面の人との時間を楽しめるか、少人数や一人の時間のほうが落ち着くか
- 【刺激を求めるか】新しい場所や初めての体験を自分から探しにいくか、慣れたものや安定を好むか

2つの軸を組み合わせると、次の4つに分かれます。
- 【内向型HSP】内向 × 刺激を求めない
- 【外向型HSP(HSE)】外向 × 刺激を求めない
- 【HSS型HSP】内向 × 刺激を求める
- 【HSS型HSE】外向 × 刺激を求める
もとになっている2つの記述
アーロン博士のサイトのFAQには、「HSPの約3割は外向的」「刺激を求める性質(HSS)はHSPとは別の性質で、両方の性質が強い人もいる」と書かれています(参考:FAQ)。4タイプの表は、博士のサイトにはありません。
4タイプは、元気が出ることと疲れる場面が違う
4つのタイプの違いを、1つの表にまとめました。どのタイプもHSPなので、疲れやすさや、休む時間が必要なところは共通していることが多いです。一方で、何をすると元気が出て、どんな場面で疲れやすいかは、タイプごとに違います。
| タイプ | ひとことで | しんどくなりやすい場面 | ラクになりやすい環境 |
|---|---|---|---|
| 内向型HSP | 一人の時間で回復する | 一人の時間がとれない日が続く(私の読み) | 一人で過ごす時間をとれる |
| 外向型HSP(HSE) | 人と過ごすのが好きだが、休む時間も要る | 楽しい集まりのあと、どっと疲れる | 信頼できる1〜2人と深く話せる |
| HSS型HSP | 新しいことを求めながら、疲れやすい | やりたいことに手を広げ、刺激を受けすぎやすい | 決まった枠の中に、新しい出来事がある |
| HSS型HSE | 刺激が足りなくても、多すぎてもつらい | 刺激が足りなくても、多すぎても不安になる | 新しい活動を自分で選べる |
表の中身は、提唱者のサイトと、博士と一緒に活動してきたカウンセラーの寄稿に書かれている傾向をもとにしています。原文にない部分は「私の読み」と書きました。一人ひとりに全部が当てはまるわけではありません。
2つの問いで、自分に近いタイプが分かる
4タイプの2つの軸を、そのまま問いにしました。
- 【問1】大勢の集まりや、初めての人と会うことを楽しめるか
- 【問2】新しい場所や初めての体験を、自分から探しにいくか

問1が「はい」なら外向型、「いいえ」なら内向型に近くなります。問2が「はい」ならHSS型、「いいえ」なら刺激を求めないタイプです。
これは目安で、診断ではありません
2つの問いは、自分に近いタイプを考えるきっかけです。刺激を求める性質を確かめたい方には、20問のセルフテストがあります。英語の原文は博士のサイトに、日本語訳は日本語版サイトに載っています。
内向型HSPは、一人の時間で回復する
内向型HSPは、刺激を求める性質が強くなく、大勢の集まりより一人の時間のほうが落ち着くタイプです。
- 【一人の時間】回復のためだけでなく、一人でいること自体を好みやすい
- 【しんどくなりやすい場面】一人の時間がとれない日が続く(私の読み)
- 【ラクになりやすい環境】一人で過ごす時間をとれる
1つ目の点は、カウンセラーの寄稿に、外向型HSPとの違いとして書かれています(参考:寄稿・内向、外向とHSP(2018年))。外向型HSPは主に回復のために一人になり、内向型HSPは一人でいること自体を好む、という対比になっています。
私が内向型HSPに近いと考える理由
私が内向型に近いと考える材料は、刺激と人の2つです。
- 【刺激】刺激を求める性質のセルフテスト(日本語版)で、知らない場所や新しい体験を求める質問に、ほとんど当てはまらなかった
- 【人と会うこと】はっきり内向というより、やや内向寄り
人と会っても、私はそこまで疲れるわけではありません。ただ、パーティーのように知らない人が多い場では気を遣うので、疲れます。とはいえ、ぐったりするほどではありません。刺激を求める側にはほとんど当てはまらず、人の面でもやや内向寄りなので、私は内向型HSPに近いと考えています。一方で、お客さまに寄り添って提案する営業では、成果も出ていました。
私の場合は、人と会うかどうかより、相手の機嫌が気になる場面と、頼まれごとが一度に重なる場面で疲れやすいと感じています。HSPの旧版のセルフテストでも、「時々神経が擦り切れたように感じ、一人になりたくなる」に「はい」をつけました。どんな場面で疲れるのかは、HSPとは?の記事に詳しく書いています。
外向型HSP(HSE)は、人と過ごすのが好きでも休む時間が要る
外向型HSPと、後で紹介するHSS型HSEの境目は、はっきりしていません。そのうえで、FAQにはHSPの約3割は外向的とあります。大勢でいること、初めての人と会うこと、広い交友関係を楽しめる一方で、休む時間もたくさん必要なタイプだという説明です(参考:FAQ)。
「HSE(外向型HSP)」という呼び名は、博士と一緒にHSPの集まりを開いてきたカウンセラー、ジャクリン・ストリックランドさんが使っているものです。ストリックランドさんは、博士のサイトへの寄稿で、HSEの傾向を次のように挙げています。
- 【しんどくなりやすい場面】楽しく出かけても、帰宅後に疲れて、睡眠や一人の時間が必要になる
- 【誤解されやすい点】混み合った騒がしい場所を避けたり、一人の時間が必要だったりするので、自分を内向型だと思い込みやすい
- 【ラクになりやすい環境】信頼できる1〜2人と、深く話せる場
FAQにも、外向的な人は「自分はHSPではない」と思い込みやすい、という注意があります。外向的でも、HSPであることは十分にありえると考えてよさそうです。
HSS型HSPは、新しいことを求めながら疲れやすい
HSS型HSPは、刺激を求める性質(HSS)とHSPの両方を持つタイプです。FAQによると、HSPの性質と刺激を求める性質は、脳の中の別の仕組みで決まっていると考えられています。そのため、両方が強く生まれる人もいるそうです。
FAQで紹介されている当事者のたとえが、このタイプをよく表しています。
片足でアクセルを踏み、もう片方の足でブレーキを踏んで生きているような感じ(FAQより拙訳)
2006年の博士の記事にも、このタイプの傾向が書かれています。ただしこの記事は、内向・外向を分けず、HSPとHSSの両方を持つ人全般についての話です(参考:HSSでもあるHSP(2006年))。
- 【傾向】新しいことや楽しいことを強く求めるが、大きなリスクまではとらない
- 【しんどくなりやすい場面】やりたいことに手を広げ、刺激を受けすぎる手前まで行きやすい
- 【誤解されやすい点】行動的に見えるので、繊細な面を周りに隠しやすい
- 【ラクになりやすい環境】決まった枠の中で、新しい出来事が来る仕事
同じ記事によると、このタイプは自分の両面を満たす仕事を見つけにくいそうです。そのうえで、新しいクラスを受け持つ教師や、新しいお客さまと会う営業や接客のように、枠がありながら新しさもある仕事が例に挙がっています。
HSS型HSEは、刺激が足りなくても多すぎてもつらい
HSS型HSEは、外向的で、刺激も求めるタイプです。ストリックランドさんは寄稿の中で、HSEの大半は刺激を求める性質も持っているだろうと書いています。
- 【傾向】自分で選んだ新しい活動や、人との出会いを楽しむ
- 【しんどくなりやすい場面】刺激が足りないときも、多すぎるときと同じくらい不安になりやすい
- 【ラクになりやすい環境】新しい活動を、自分で選べる
寄稿では、このタイプにとってちょうどいい刺激の量を見つけるのは難しいことが多いとされています。ただ、ちょうどいい量が分かって保てるようになると、元気の出るもとにもなるそうです。
タイプは目安なので、きれいに当てはまらなくてもいい
ここまで読んで、「どれにもきれいには当てはまらない」と感じた方もいると思います。
FAQでは、セルフテストの結果だけで、生まれつきの気質を決めつけないようにと書かれています。テストはもともと研究用のものです。自分がHSPかどうかは、HSPについて読んだうえで、自分で決めるのがいちばんよいとされています。
きれいに当てはまらない理由としては、次のようなものがあります。
- 【場面で変わる】安心できる場では外向的に見え、そうでない場では内向的に見えることがある(ストリックランドさんの寄稿)
- 【タイプの差は小さい】外向型と内向型のHSPの差は小さく、HSPとHSPでない人の差のほうが大きい(同じ寄稿)
- 【テストの限界】刺激を求める性質のテストは、HSPのテストほど研究の裏付けがない(2006年の記事)
私自身も、内向型HSPに近いとは感じていますが、慎重な面とそうでない面が結構分かれていて、どこまでが気質なのかは自分でも分かりません。4タイプは、自分に名前をつけるためではなく、疲れ方を考える手がかりとして使うのがいいと思います。
働き方は、タイプごとに合いやすい環境が違う
4タイプごとに、合いやすい働き方の目安を表にしました。表には、それぞれの情報の出どころも入れています。
| タイプ | 合いやすい働き方の目安 | 合いやすい理由 | 出どころ |
|---|---|---|---|
| 内向型HSP | 一人で過ごす時間をとりやすい | 一人でいること自体を好みやすいため | ストリックランドさんの寄稿(外向型との違いとして) |
| 外向型HSP(HSE) | 信頼できる人と協力して進められる | 安心して考えを話せる相手と組むと力が出やすいため | ストリックランドさんの寄稿 |
| HSS型HSP | 枠がありながら、新しい相手や出来事が来る(教師・営業・接客など) | 新しさがほしいが、変化が続きすぎると刺激を受けすぎるため | 2006年の記事 |
| HSS型HSE | 新しさがあり、取り組む活動を自分で選べる | 刺激が足りなくても、多すぎてもつらくなるため | ストリックランドさんの寄稿 |
自分のタイプに合う環境かどうかを、仕事を選ぶときの目安の1つにしてみてください。私の場合は、同じ営業の仕事でも、職場によって合う・合わないがはっきり分かれました。どんな職場が合って、どんな職場が合わなかったかは、次の記事にまとめています。
- 【合う職場の見つけ方】HSPの転職完全ガイド|6回転職した私がたどり着いた「自分に合う職場」の見つけ方
- 【合わなかった職場】HSPの私が6回転職して気づいた「向いてない職場」の特徴と選び方
- 【営業を続けられた職場】【HSP×営業】6回の転職でわかった!営業職で続けられる職場を選ぶ3つのポイント
- 【相手の機嫌で疲れるとき】上司の機嫌に振り回されるHSPへ|私は相手の正解を探し続けて消耗した
- 【会議で話せないとき】会議で発言できないHSPへ|黙ってしまうのは考えていないからではありません
- 【転職するか迷っているとき】HSP転職ガイド|仕事を変えるべきか迷ったときに読む、共感と気づきのスタートページ
まとめ
- HSPの4タイプは、「外向か内向か」と「刺激を求めるか」を組み合わせた分け方で、提唱者がつけた分類名ではない
- 内向型HSPは一人の時間で回復し、外向型HSP(HSE)は人と過ごすのが好きでも休む時間が要る
- HSS型HSPは新しいことを求めながら疲れやすく、HSS型HSEは刺激が足りなくても多すぎてもつらい
- 私は刺激を求める側にほとんど当てはまらず、人の面でもやや内向寄りなので、内向型HSPに近い
- タイプは診断ではなく目安で、きれいに当てはまらなくてもいい
- 2つの問いに答えて、最近の疲れがどの場面から来ているかを見ると、働き方や休み方を選ぶ手がかりになる
タイプは目安なので、仕事の進め方の得意・不得意を別の角度からも確かめたいときは、ミイダス
のコンピテンシー診断も使えます。私が受けたときは「一人で取り組む仕事が得意」と出て、自分で思っていた得意・不得意と合っていたので、自信になりました。
診断は一度受けても1年たてばもう一度受けられるので、今のタイプの見立てと並べてみる材料にできます。相談しながら進めたい方は、HSPにおすすめの転職支援サービス10選も参考にしてください。
まずは2つの問いに答えてみて、最近疲れた場面を1つ思い出してみてください。そのうえで、疲れのもとが「人と会ったこと」「新しいことが続いたこと」「相手の機嫌や頼まれごとが重なったこと」のどれに近いかを比べてみるのがおすすめです。相手の機嫌や頼まれごとで疲れる場合のように、タイプだけでは説明しきれない疲れもあります。どの場面で疲れているかが分かると、働き方や休み方を選ぶときの手がかりになるはずです。


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