
- 何度か転職を経験してきたが、職場環境になじめず悩んでいる
- 「やりたい仕事」を探しているが、また同じ悩みを抱えないか不安に感じている
- HSP気質があり、職場の空気や人間関係に影響を受けやすいと感じている
こうした悩みを抱える方に向けて、私自身の6回の転職経験をもとに、HSPにとって働きやすい職場、働きづらい職場の違いを整理し、次の転職で同じ失敗を繰り返さないためのヒントをお伝えします。
はじめに|すべてがダメだったわけではない。環境によって大きく違った
社会人になってから、職場によって働きやすさが驚くほど違うことに気づきました。
特別に嫌なことがあったわけでもないのに、職場の空気に過敏に反応して消耗してしまうこともあれば、逆に自然体で働ける環境もありました。
私はHSP(Highly Sensitive Person)という、刺激に敏感な気質を持っています。
HSP(Highly Sensitive Person)について詳しく知りたい方は、日本心理学会のコメントも参考になります。
これまで6回の転職を経験し、「働きやすさは、やりたいことより環境との相性で大きく左右される」
ということを実感しました。
この記事では、HSPにとって働きやすい職場・働きづらい職場の違いを、私自身の経験をもとに整理していきます。
自己紹介|6回の転職を経てわかったこと
これまで私は、次のようにさまざまな職場で働いてきました。
- 当時100名程度の規模だったベンチャー企業
- 保険会社の直販営業
- 不動産会社の中のFP部門(相談+保険販売)
- 大型保険代理店の営業企画
- 小規模な保険代理店(主に法人専門)
- 主に保険サイトを運営する保険代理店
- 立ち上げ初期のスタートアップ企業
「努力すればどこでも通用する」「やりたいことを見つければ自然と続く」そんなふうに信じて転職を重ねましたが、現実はもっとシンプルでした。
環境が合うかどうか、それだけで、働きやすさは驚くほど変わるのです。
この事実に気づいてから、働く場所の選び方や考え方を少しずつ変えるようになりました。
転職体験談|私が経験した6つの職場と感じたこと
まず、私自身の職歴を振り返っていきます。
1社目|当時100名程度の規模だったベンチャー企業
新卒で入社したのは、法人向けサービスを提供するベンチャー企業でした。
この職場では、特に強いストレスを感じることなく、働き続けることができました。
理由の一つは、新規事業の立ち上げに関わる機会があり、マニュアルや細かいルールに縛られず、自分で考えながら動けたからです。
また、
- 少人数のチームで
- 静かな事務所内で
- 周囲の干渉も少ない環境だったこと
も、働きやすさにつながっていました。HSPの私にとっては、刺激が少なく、落ち着いて業務に向き合える職場だったと思います。
当時はHSPという言葉も知らず、環境の相性を意識することもありませんでしたが、今振り返ると、とても働きやすい環境だったのだと感じます。ただ、収入面では物足りなさがあり、より自由に稼げる条件を求める気持ちから転職に至りました。
2社目|保険会社の直販営業
次に転職したのは、個人向けに保険商品を提案する直販営業の仕事です。フルコミッション(完全歩合制)で、成果がそのまま収入に反映される営業スタイルに挑戦しました。
安定した収入を得るために努力していましたが、
- 毎日何十件ものテレアポをこなし
- 自分から積極的にアポイントを取りに行き
- 成果が出ないと精神的にも負担が増す
という働き方は、結果的にHSPである私にとってかなりハードなものでした。
当時はまだHSPという言葉すら知らず、「自分の努力が足りないせいだ」と考えていたのを覚えています。次第に、安定した給与を得ながら、もう少し相談ベースで対応できる仕事を求めるようになり、転職を決意しました。
営業職に強いストレスを感じた経験から、HSP気質の方には営業以外の働き方を考えることも重要だと感じています
👉 【営業職×HSP】仕事がつらいと感じたときに考えたい3つの視点
3社目|不動産会社の中のFP部門(相談+保険販売)
次に選んだのは、不動産会社の中にあるFP相談部門です。
ここでは、
- 社員型の雇用(固定給ベース)で安定した収入があり
- 相談に来たお客様にじっくり寄り添うスタイル
という環境が整っていました。
自ら発信をしていくのではなく、相手の話を聞きながら最適な提案を行う仕事は、HSPの私に非常に合っていたと感じます。
具体的には、
- 相手に合わせたペースで話ができる
- 丁寧なヒアリングが求められる
- 数字のプレッシャーが過剰ではない
といった点が、働きやすさに直結していました。この職場では、自然と成果も出るようになり、「環境さえ合えば、自分はきちんと働ける」という手応えを初めて実感できました。
4社目|大型保険代理店の営業企画
さらにスキルを伸ばしたいと考え、次に転職したのは大型の保険代理店でした。
ここでは、
- 現場の営業マンを支援する営業企画
- 資料作成や施策立案を担当するポジション
に就きましたが、実際に働き始めると、違和感を覚えるようになりました。
具体的には、
- 組織トップとの距離が近く、常に気を遣う必要があった
- 個性が強い保険営業マンとの対応に日々消耗していた
といった点が、精神的な負担になっていきました。
やりたいことベースで選んだ職場ではありましたが、環境との相性が合わなかったことで、「好きな業務内容だけでは続かない」という現実を痛感し早期離職に至っています。なお、この頃も、まだ自分がHSPであるとは気づいていません。
5社目|小規模な保険代理店(主に法人専門)
その後、選んだのは、主に法人向けのサービスを展開している小規模(人数5名)の保険代理店です。
人数が少ないため、
- 社長との距離が非常に近い
- 事務所で二人きりになる場面も多い
という環境で働くことになりました。
さらに、
- 社長の意図が読みづらい発言や質問
- その発言や質問「これでいいのか」と常に正解を探しながら行動する日々
こうした状況が続き、精神的な負担が徐々に重なっていきました。
形式上は自由度が高いように見えても、人間関係のプレッシャーが強すぎると、HSPには厳しい環境であると実感した経験です。
6社目|主に保険サイトを運営する保険代理店
次に入社したのは、保険比較サイトの運営を中心に行う保険代理店でした。
ここでは、
- 過度な詮索がない
- 目標数字も適度なプレッシャー
- 比較的静かに作業できる
という環境が整っていたため、働くうえでの負担はこれまでの職場に比べて少なかったです。この職場では、無理なく業務に集中することができました。
ただ、会社の経営方針が大きく変わったことにより、やむを得ず会社都合での転職に至りました。
現職|立ち上げ初期のスタートアップ企業
現在は、立ち上げ初期の小規模スタートアップ企業に在籍しています。会社も一定の成長を遂げ、入社当時とは環境も少しずつ変わってきましたが、4年経過した今も引き続き勤務しています。
入社後すぐに新規事業に関わることとなり、
- 自分で考え、自分で動く
- ルールが整っていない中で試行錯誤する
- 自由に裁量を持って進める
という環境で働いています。
もちろん責任は大きいですが、裁量権を持ちながら、周囲との距離感も適度に保てるこの環境は、HSPの私にとって非常に働きやすいと感じています。
HSPという概念を知り、自分の特性を受け入れながら働けるようになったのも、現職に就いてからでした。
HSPにとって向いていない職場の共通点
6回の転職経験を振り返ると、「働きづらかった」と感じた職場には、いくつか共通する特徴がありました。ここでは、私自身の体験をもとに、HSPが特に負担を感じやすい職場環境について整理していきます。
1. 常に外向きの営業活動が求められる
毎日のテレアポ、成果主義。こうした、自分から常に仕掛け続けなければならない営業スタイルは、
HSPにとって非常に負担が大きいと感じました。
断られることが前提のやりとりを繰り返す中で、知らず知らずに精神的なダメージが蓄積していきます。
2. トップダウン色が強く、裁量がない
経営層や上司からの指示を常に気にしながら動く必要がある職場では、細かい空気の変化に敏感なHSPにとって、常に緊張が続く状態になり、身動きがとれません。
自由度がなく、自己裁量で動けない環境では、本来の力を発揮しにくいと感じます。
3. 人間関係が近すぎる、適度な距離感がない
社長と事務所で二人きり、上司との距離が異常に近いなど、密接な人間関係が求められる環境も、かなりの負担でした。
相手の機嫌や空気を読みすぎてしまうHSPにとって、適度な距離感が保てない職場は、知らず知らずに心をすり減らす要因になります。
HSPにとって働きやすい環境とは?
逆に、過去に働きやすさを感じた職場には、共通点がありました。
1. 自由度が高く、自分のペースで動ける
- マニュアルや細かいルールに縛られない
- 自分で考えて行動できる余地がある
こうした環境では、自然と自分の力を発揮しやすくなります。
周囲の動きに合わせすぎず、自分なりのリズムで仕事を進めることができます。
2. 静かな環境で、集中できる
- 必要以上に人間関係に巻き込まれない
- 周囲の干渉が少なく、落ち着いた雰囲気の中で作業できる
静かな事務所や、周りに人がいないリモート環境、落ち着いた雰囲気の職場では、余計な気を使うことなく、自分の仕事に集中しやすくなります。
3. 必要以上に人間関係に巻き込まれない
- 上司や同僚との距離が近すぎない
- 人間関係が密接になりすぎない
HSPは相手の機嫌や空気を敏感に察知してしまうため、適度な距離感が保たれた職場のほうが、心をすり減らさずに働くことができます。
4. 相談ベースの業務スタイル
- 相手の話をじっくり聞く
- 強引に押し付けない提案ができる
相談ベースの仕事は、HSPの傾聴力や共感力を自然に活かせるため、
精神的な負担が少なく、無理なく働き続けることができました。
まとめ|自分を責めず、環境を選ぶ
これまで何度も転職を繰り返してきた私ですが、いま振り返って感じるのは、
自分がダメだったのではない。ただ、環境との相性が合わなかっただけ。
ということです。
合わない環境では、誰でも力を発揮できません。逆に、環境が合えば、自然と結果もついてきます。
もし今、職場に違和感や働きづらさを感じているなら、無理に自分を変えようとする前に、環境を見直すことも一つの選択肢だと思います。
自分に合った場所で、自分らしく働く。
それができるだけで、仕事への向き合い方は大きく変わると、私は実感しています。
また、HSPの特性を活かしながらストレスを減らせる仕事選びについては、こちらの記事も参考にしてみてください。
👉 HSPに向いている仕事とは?ストレスを減らす職業10選
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